STAR FRONTIER Annex

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2012年・春の選抜高校野球 第12日 決勝

○決勝戦 大阪桐蔭 7−3 光星学院(青森)
光星学院 002 010 000=3
大阪桐蔭 203 000 11X=7


 光星学院12安打2四球、大阪桐蔭13安打2死球。ほぼ打ち合いは互角でした。
 しかし大阪桐蔭は本来の4番・田端を骨折で欠き、しかもエースがドラフト1位指名との声も少なくない長身右腕の藤浪――となれば、もしかしたら光星学院のほうが打力は上だったかもしれません。
 光星学院の先発・城間投手が3回途中までで5失点。立ち直る前にマウンドを去りました。後を継いだ金沢が懸命に反撃を待ちますが、走者が盛んに塁を賑わす割には効果的な追撃ができなかったようです。プロ注目の3番田村、4番北条の前に走者を溜めたかったのですが、そこが振るわず彼らが攻撃の起点になってしまいました。残塁11は悔しいでしょうね。
 終盤、ついに金沢投手が大阪桐蔭打線に捕まり駄目押しの2失点。藤浪はピンチを招きながらも粘り強く、3失点に留めて大崩れしませんでした。最後まで主導権を放さず、見事な横綱相撲で前評判通りの実力を発揮して、春は初めての全国制覇を達成しました。

 終わってみれば藤浪と大阪桐蔭の大会だった、と言っても差し支えないでしょう。長身からの150km/h近い速球は確かに魅力的でした。
 しかしその大阪桐蔭、対戦相手を圧倒したゲームはほとんどありません。組み合わせの時点で実力校の揃う激戦ブロックに入り、先制点を奪われてしまう試合も少なくなかった。故に優勝したとはいえ、敗れたチームと力の差が大きかったとは余り感じないのが正直な感想です。
 ドラフト候補の投手に対してもそう思わせるのですから、それだけ高校野球の地域格差は縮まってきており、更に選手個人の力量も高まっているのだと思います。

 それにしてもやはり高校野球はスピーディでいい! 特に投手戦の多い春は2時間以内のゲームも多いですからね。試合テンポも早く、見ていて飽きることが少ない。観戦できる日は可能な限りテレビの前に張り付いているようにしていますが、このスピード感が1日に何試合も見られる秘訣なのだろうなあと思いました。

 全国各地ではもう春季大会が始まっています。野球のシーズン開幕を意味する地区から、夏を占う大事な前哨戦の地区――と、その意味合いは様々ですが、また暑い季節に向けて選手たちが溌剌としたプレーを見せているのは間違いありません。夏の甲子園でまたその姿を期待しようと思います。
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春のセンバツ決勝戦は悪天候で中止

 折からの強風と雨で春のセンバツ高校野球決勝戦は中止となりました。この悪天候に備えて試合開始は午後4時からとされましたが、まあこの結果も妥当なところでしょうか。天気には勝てませんからねえ。
 選手にとってもいい休養になるでしょう。好ゲームになることを期待しています。

 この結果、明日の決勝戦は午後0時半に開始されます。
 開始時間が今日の予定とは変わるのでご注意を。

 これだけでは何なので……と思ったら毎日新聞に面白い記事が。長いけど引用します。


<センバツ>両監督の再戦 日本一懸け21年前も
毎日新聞 4月3日(火)18時43分配信

 大阪桐蔭の西谷浩一監督と光星学院の仲井宗基監督。4日の決勝は、21年前に日本一を懸けて戦った2人が、再び顔を合わせる舞台になった。
 91年6月15日、神宮球場であった全日本大学野球選手権決勝。西谷監督は関大、仲井監督は東北福祉大で、ともに3年生の控え捕手として試合に挑んだ。
 当時の東北福祉大には、金本知憲(阪神)、斎藤隆(米大リーグ・ダイヤモンドバックス)ら、後に球界を代表する選手になるメンバーがそろっていた。強力打線を目の当たりにし、西谷監督は「10−0で負ける」と感じた。
 だが、試合は延長十七回の熱戦。2人は互いにブルペンで救援投手の球を受け、ベンチで戦況を見つめた。最後は金本の決勝打で東北福祉大が4−2で勝ち、初の大学王者に輝いた。
 西谷監督は「人生の中で初めて日本一をかけた大事な一戦」と懐かしむ。その後、西谷監督は大阪桐蔭で中村剛也(西武)、中田翔(日本ハム)ら当時の東北福祉大にいたようなスターを育て、夏の高校日本一も経験した。
 一方、大阪出身の仲井監督は東北に残り、光星学院を全国レベルの強豪に鍛え上げた。「東北勢は決して弱くない」と語り、昨夏に続いて東北勢初の甲子園制覇に王手をかけた。
 もちろん、当時は2人とも相手の控え捕手の存在など知らなかった。だが、人生の軌跡は、高校球児の聖地で再び交わることになった。「前回は負けているので頑張りたい」と西谷監督。「また全国の決勝でやれるのは幸せ」と仲井監督。あの日同様、2人はベンチから試合を見守る。



 いやあ、いいなあ。「実はこんなところでクロスしていたあの2人」という物語は大好きです。
 高校野球のみならず、アマ野球を見ていると時折こんな場面に遭遇します。後々プロで活躍する投手が実は甲子園(地方大会)であの選手と対戦していた――というような事例。思えば私はこんな物語が好きで高校野球を見続けている、というところがありますね。
 高校野球は選手だけではなく周囲にもドラマがあるのです。
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2012年・春の選抜高校野球 第11日 準決勝

 天気に恵まれた準決勝、今日は2試合とも観戦できました。
○大阪桐蔭 3−1高崎健康福祉大高崎(群馬)
健大高崎 000 000 010=1
大阪桐蔭 010 000 02×=3

 大阪桐蔭が本塁打攻勢で健大高崎を突き放し、春のセンバツでは初めての決勝進出を決めました。同点で迎えた8回裏、3番森、5番笠松の2人がソロホームランを放って2点を勝ち越しました。
 大阪桐蔭は2回裏、小池の左前打と笠松のバントで一死二塁とすると、安井の右前敵時打で1点を先制。エース藤浪が完投し、健大高崎の反撃を1点に食い止めました。

「まったく、これだから長打力のあるチームは……」と苦笑しながらゲームセットを見届けました。
 健大高崎の左腕・三木がスライダーを低めに集めて大阪桐蔭に中押し点を許さず反撃を待ちます。一発かエラーか、次の1点をとったチームが優位に立つだろうという展開になります。
 エースの奮闘に応え、終盤の8回表、1番・竹内が外角球にバットを叩きつけると、レフト方向へふらふらと上がったような打球がなかなか落ちてこない。風もないのにまさか、まさか――と思った直後、打球がポールを巻いてスタンドイン! 伏兵・竹内がまさかの同点本塁打。「健大高崎、これで行ける!」と思いました。
 しかし横綱は土俵の真ん中に押し戻されただけだったのかもしれません。その裏、好投を続けてきた三木が力尽きます。8回の先頭・森のホームランは信じられないような打球でした。外角直球を叩いた打球はぐんぐん伸びて左中間へ。竹内の打球とは違う意味で「まさか」でした。
 高校生の左打者が甲子園の左中間スタンドまで運べるわけがない。そんな既成概念があっさりと打ち砕かれました。スタンドが沸き立つ中でダイヤモンドを一周した森を見て「今日の試合のMVPだな」と思わざるを得ませんでした。
 3試合で16盗塁と猛威を奮った健大高崎の機動力。森がそれを封じたのは2回でした。中前打で出塁した神戸の盗塁を森が好送球で阻止。しかも低めへの変化球がワンバウンドになり、更に一瞬握り直した上での送球です。刺せるはずがないと思った直後、画面に映されたのは二塁ベース上の数十センチ、刺殺にはベストポジションへの低く真っ直ぐな送球でした。二塁到達前に神戸は敢え無くタッチアウト……このスローイングを見たら足技は使えなくなるでしょう。
 機動力が使えなければ健大高崎は思うように攻められません。三木の粘りに応えて竹内が本塁打を放ちましたが、逆に同点になったことで「もう1点もやれない」「しっかり抑えなければ」と力んでしまった可能性はあるような気がします。
 直後に笠松が3点目となるソロ本塁打で駄目押し。出塁して、走って、ヒットを打って――と機動力で苦労しながら点をもぎ取る健大高崎と対照的な、たった一振りでの決定打。非力なチームが投手戦の末、強豪の一発に屈するのを見る度に冒頭のような苦笑が漏れてしまいます。

○光星学院(青森) 3−1 関東一(東京)
関東一  000 000 001=1
光星学院 000 210 03×=6

 関東一の先発は昨秋までエースだった左腕の醍醐投手。好右腕中村の登板回避は想定の範囲内でした。
 醍醐はスライダーを低めに集めて光星学院の打線を封じますが、打順が一巡した4回に田村のソロ本塁打などで2失点、5回には犠飛で3点目を奪われ、この回限りで降板します。
 しかし関東一にはこの3点が実に重かった。光星学院を上回る11安打を放ちながら得点したのは9回の1点のみ。チャンスは作るのですがあと一本が出ません。3回一死満塁で中軸の木内・秋山を迎えながら先制できなかったのが痛かったですね。8回表には5番・伊藤のライトフライでタッチアップした三塁走者が本塁タッチアウトとなり、追撃機をものにできませんでした。「最後は光星学院の美技で幕を閉じたか」の感がありました。
 注目の中村投手は6回から登板。しかしやはり疲れがあったようで、8回裏に決定的な3失点を喫してしまいます。彼のストレートはキレがいいだけに、芯で捉えられると凄い打球を飛ばされますね……。

 明日の試合は以下の通り。

○決勝戦 大阪桐蔭−光星学院(青森)

 大会を通じて好調な大阪桐蔭と光星学院の対決です。悪天候が予想されるため、試合開始は午後4時からという変則日程になるそうです。ナイトゲーム必至ですね。紫紺の優勝旗を持ち帰るのは果たしてどちらか。
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